SPC・MSAを正しく運用することで、故障・不良の未然防止に繋げます。
SPC、MSA
製造プロセス全体をデータで繋ぐSPC・MSA
品質リスクマネジメントにおいて、MSA,SPCを形式的に行うだけでは効果は小さいです。MSA,SPCを正しく運用することで、規格要求に応えられるだけでなく、本質的な故障・不良の未然防止に繋がります。
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SPCでできること
IATF16949の統計的工程管理(Statistical Process Control:SPC)では、工程が安定し、かつ要求された能力を持つ工程であることが必要となります。ただ単に規格に入る・入らないという判断では、不良の発生を前提としてしまっています。管理図および工程能力分析の統計的手法を適切に使い、「ばらつき」で品質を管理することによって、不良の発生を未然防止してムダを減らしたり、顧客から要求された仕様に対する工程の能力を把握したりすることができます。また、後工程でのムリな帳尻合わせを無くすためにも、品質管理部門だけでなく、技術営業、設計、製造の段階から工程の能力について知っておく必要があります。
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MSAでできること
管理図や工程能力分析では、測定された工程のデータは正しい結果を示しているということを前提としていますが、通常、工程データには測定システムの変動も含まれます。このため、工程全体の変動に対し、測定システムの変動がどの程度影響しているかを評価する必要があります。また、そのことを顧客から要求されることもあります。これらの評価や要求に対して、測定システム解析(Measurement System Analysis:MSA)を適用することで、測定システムの変動を解析することができます。グローバル化によって、データで品質を示すことが必要不可欠な状況では、そもそも測定データを信頼できるかは根幹に関わります。
SPC・MSAが形式的だと発生する問題
関係者が自社の工程能力を把握していない
SPC、MSAは品質管理部門や品質保証部門のような特定の部門だけが実施していればいいというわけではありません。
営業部門や設計開発部門が自社の工程能力を正しく把握せずに受注し、設計開発を進めてしまうと、後工程の調整が膨大となり、自社の工程能力では実現できないような無理な要求から数多くの不良を生み出す可能性が出てきます。
運用支援サービス
SPC/MSAを正しく活用し、
適切に運用できる組織を目指すために、
以下の観点で支援を行います。
- 01. IATF 16949、AIAGなどの規格、あるいは顧客から要求されるアウトプットをどのように解釈し、何をレポートとして提出すべきか、統計的なアドバイスを行います。
- 02. なぜそのような結論になっているかという筋道「データ収集の前提から分析を進め、工程能力の結論を導くまで」を指導します。
- 03. 属人的な分析に頼らず、SPC/MSAの運用ルールに則って組織的に活用するための運用マニュアルを作成します。
- 04. 統計スキル、品質マネジメントの運用内容に合わせた段階別の教育を実施します。
よくあるご質問
Q SPC・MSAを行うのに、統計ソフトウェアの使用が前提ですか?
はい、前提とさせていただきます。顧客からの信頼度の高さや、計算式の正しさ、分析の効率の面から、統計ソフトウェアをご利用ください。
Q 自動車業界ではないのですが、相談できますか?
はい、自動車業界以外のお客様のご相談も承ります。
Q 運用立ち上げに不安があります。どのような支援をしてくれますか?
運用立ち上げ前の段階で、現状把握と課題抽出、お客様の目標のご相談を承ります。また、その実現プロセスと必要なご支援(環境設定、技術トレーニング、ご導入後の伴走支援等)について、御見積させていただきます。
お客様の声
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MSAの基礎的なところから重要性、用語の解説まで分かりやすく簡単に説明してくれたため、理解を深めることができた。
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設計部門から品質部門まで横断してSPC・MSAについて講習を受けたことで、設計時から品質ばらつきを考慮する必要性が理解できた。
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海外顧客と自社での工程能力の表記や計算方法が異なることを理解し、顧客の要求を正しく理解することができた。